2010年5月5日水曜日

8月改正の背景と解説(その1)

FX手数料、1円刻みの「最安値」争い 証券各社(朝日新聞) - goo ニュース


ロコスケです。

8月の改正でレバレッジが50倍までと規制されます。


まず背景を簡単に述べましょう。

現在で400倍まで可能であるわけですが、簡単に儲かると証券会社の

宣伝に乗せられてFXをする人が、株価の下落をうけて爆発的に

増えたのです。


しかし、無知や素人判断での参加で破産者が続出しました。

破産と言っても一般の破産と違って負債の返済不能でなくて、生活の

備蓄金を根こそぎ失ったという意味で、世間で表には出てきません。



取引は、あくまで自己責任であります。口座開設にあたって必ず

それを承諾しないと開設出来ない仕組みとなっております。

だから証券会社にクレームは出せず、消費者センターへのクレームと

なったと推察します。


株の場合、信用取引ではレバレッジは3倍までです。

30万円で100万円までの取引が可能です。

そしてストップ安といって1日の取引で損失も限定されます。

FXの場合、レバレッジ400倍だと10万円で4000万円まで

取引可能です。

変動が少ないドル円では1年平均で毎日1円幅で上下すると言われて

ますが(ユーロ円で2円、ポンド円で5円くらいです)、それをうまく完全に

売買したとすれば、1日で10万円の元金で35万円の利益となります。

1ドル110円として35ロット(35万ドル)購入した場合の概算です。

(それは計算上でありまして、実際の運用として不可です。)

しかし、その利益に目がくらむ人が続出したのです。

自分にとって都合の悪いことは本気で考えないという人間の

本性によって損失のリスクを甘く見た結果でしょうね。


株取引と違ってFXは上昇や下落にストップはありません。

損失も売買を誤ると一瞬で元金が消えます。

過去の最高で1日で10円(ドル円の場合)下落したことがあります。


銀行で10万円の定期をして満期日の問い合わせの電話をしたら、

その電話代で利息は吹っ飛んだと笑えない話があります。

ファンドに投資したら、元金保証がないタイプだったので軒並み

元金より減額となって帰ってきたとか。

そこで何とか運用できないものかと退職金や老後の備えをつぎ込んで

FXを始めたが、すべてを失ったと . . .

このような仕組みを国として放置して良いのか?

国民が財産を簡単に失ってしまう可能性があるのに規制をなぜ

しないのかと経済産業省の金融局の各地の出先機関に消費者

センターを通して寄せられてまとめられて、諮問機関に提出。

諮問機関から証券会社への意見聴取という形だけの手続きを

経て、改正法が可決されたわけです。

業界やFXの顧客のほぼ全員が反対したと思われますが、

学者や弁護士、消費者NPOなどの諮問メンバーによって

一方的に決められたと推定しています。

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